AIに聞けばいい。
それでも、書いてみたい。
正解を教えるブログから、体験と疑問を持ち寄る研究ノートへ。AI時代に発信を続ける理由を、自分なりに考えてみました。
はじめまして。ASOBION(アソビオン)です。
旅、食、ものづくり、暮らし、そして考えること。私たちが体験したことや、気になって調べたことを、試行錯誤ごと残している小さな研究ノートです。読んでくれた人の発見や意見も聞きながら、少しずつ育てていきたいと思っています。
この記事は、そんな場所をなぜブログとして続けたいのか、今の考えをまとめたものです。
知りたいことがあれば、AIに聞けばいい。
旅行の計画も、商品の比較も、難しい専門知識も。以前ならいくつものサイトを巡って調べていたことが、ほんの数秒でわかるようになりました。
そんな時代に、わざわざブログを書く意味はあるのでしょうか。
自分でもブログを運営しながら、そんなことを考えました。
調べてみると、同じ疑問に向き合っている人たちもいます。そして、私なりにブログを続けたい理由が見えてきました。
実際に体験したことを残したい
AIは、旅行先のおすすめスポットを教えてくれます。
でも、実際に訪れて何を感じたか、想定外の出来事にどう対応したかは、その人自身の経験です。
キングコングの西野亮廣さんは、AI時代の価値を考えるうえで「アンカー(錨)」という考え方を紹介しています。
こうした現実世界に結びついた価値は、AIによる大量生成が進んでも簡単には置き換えられない、という考え方です。西野さん自身は、人間関係による強いつながりを「癒着」という言葉でも表現しています。
たとえば、私たちは結婚証明書を手作りしました。
海岸でシーグラスや貝殻を拾い、洗浄・消毒し、デザインを考えて完成させる。
作り方だけならAIにも教えてもらえます。でも、実際にやってみて苦労したことや、工夫したことは、体験したからこそ伝えられます。
もっとも、体験すれば何でも価値が生まれるわけではありません。
そんな気持ちで書いていきたいと思います。
知らないことも、書いていいと思う
ブログというと、詳しい人が知識を教える場所という印象があるかもしれません。
でも、私はまだ知らないことについても書きたいのです。
人はなぜ、ある空間を「おしゃれ」だと感じるのか。
歩きたくなる街と、そうでない街の違いは何なのか。
人口が減っても、豊かに暮らせる街はつくれるのか。
AIや新しい技術は、私たちの暮らしをどう変えるのか。
身近な疑問から、科学、歴史、経済、社会の仕組み、そして人生の楽しみ方まで。
専門家の知見やさまざまな意見に触れ、ときには常識を疑い、自分なりに考えてみる。
そして、現時点でわかったことを共有する。
もちろん、調べた事実と、自分の解釈や仮説は区別したい。間違いがわかれば、修正すればいい。
ブログを完成された教科書ではなく、更新され続ける研究ノートのように使いたいと思っています。
自分のために書くことにも意味がある
起業家のポール・グレアムは、2022年のエッセイ『Putting Ideas into Words』で、考えを文章にすることが思考そのものを深めると論じています。
確かに、頭の中では理解していたつもりでも、文章にしようとすると説明できない部分が見つかることがあります。
書きながら考えが変わることもあるでしょう。
ブログは、そんな自分の思考を整理するための場所にもなります。
そして記事が積み重なれば、どんなことに関心を持ち、何を考えてきたかという、自分自身のポートフォリオにもなる。
サイトのデザインを変えたり、新しい機能を試したりするWebの実験場としても面白い。
私にとってASOBIONは、そんなWebの実験場でもあります。
うまくいったことも、失敗したことも、次に活かせばいい。
共感する人とも、違う意見の人ともつながりたい
ただ、自分のために書くことと、誰かに読んでもらえることは別の話です。
見ず知らずの私が何を考えているかなんて、興味がない人の方が多いでしょう。
それでも、何かの記事をきっかけに「自分も同じことを考えていた」と思ってくれる人がいるかもしれません。
逆に、「私は違うと思う」という意見をもらうこともあるでしょう。
どちらもうれしいことです。
だから、一方通行の発信にはしたくありません。
記事を読んで感じたことや、知っていることを教えてもらう。質問をもらって、また調べてみる。
読者のひと言から、新しい記事や企画が生まれることもあるかもしれません。
ブログを単に情報を置いておく場所ではなく、考えを持ち寄れる場所にできたら面白そうです。
AIがあるからこそ、人間の発信が面白くなる?
起業家のけんすうさんは、2025年に「生成AIが怖すぎるからYouTubeを始めたという話」を公開しました。
AIが情報やコンテンツを大量に生み出せる時代だからこそ、発信する人の個性や信頼関係が重要になるという考えです。
たしかに、料理の作り方ならAIに聞けばいい。それでも、好きな料理家の動画を見ることがあります。
完成した料理だけでなく、その人の工夫や試行錯誤、語り方を楽しんでいるのでしょう。
ブログにも、そんな魅力があると思います。
ただし、AIが人間の発信を完全に置き換えることはない、と断言できるわけではありません。
むしろ、一般的な知識をまとめるだけの記事は、ますます厳しくなるでしょう。
それでも、実際の経験や、自分で考えたことを共有する価値は残るのではないでしょうか。
収益化も、一つの実験として
現実的な話もしておきたいと思います。
AIが検索結果で答えを教えてくれるようになり、わざわざブログを訪れる機会は減っていくのかもしれません。米国のPew Research Centerによる2025年の調査でも、AIの回答が表示された検索は、通常の検索結果がクリックされる割合より低くなる傾向にありました。
また、今後は一部の有名人や人気クリエイターに、注目と収益がさらに集中していくのではないかとも考えています。
動画や写真の方が、文章より多くの人に届くということもあるでしょう。私たちもTikTokやInstagramなど、SNSには挑戦していきたいと思っています。
それでも、ブログにはブログならではの価値があると信じています。
自分たちの体験や考え、調べてわかったことを蓄積し、何度でも読み返し、更新できる。デザインや機能も自由に工夫できる。SNSには代替しにくい、自分たちの場所です。
もっとも、今のASOBIONを訪れてくれる人は、まだほとんどいません。収益どころか、毎月サーバー代を支払っているので赤字です。
それでも、新しい記事を書いたり、サイトを少しずつ改善したりすることが、純粋に面白いのです。
いつか誰かの役に立ち、同じ好奇心を持つ人とつながれたら。そして、アフィリエイトなどで運営費も賄えるようになれば理想的です。
すぐに結果が出なくても、ここに少しずつ積み重ねていく時間そのものを、大切にしたいと思っています。
未完成の研究ノートを公開する
自分が体験したこと。
知らないけれど、興味があること。
調べてわかったことと、まだわからないこと。
そして、考えていること。
そうしたものを少しずつ残していきたいと思います。
自分自身の備忘録にもなるし、いつか同じことに興味を持つ人の役にも立つかもしれません。
さらに、読んでくれた人と話すことで、新しい発見もあるかもしれない。
最初から正解を持っている必要はありません。
AIが何でも教えてくれる時代だからこそ、そんな時間を楽しみたいと思います。
ASOBIONは、そんな未完成の研究ノートです。
今はまだ、ほとんど誰にも知られていない小さなサイト。
もし何か一つでも面白い発見があったなら、また気が向いたときに、のぞきに来てもらえたらうれしいです。気になることや違う意見も、ぜひ聞かせてください。
そのときには、今より少し面白いASOBIONになっているように。
この記事で参考にした資料・発信者の考え
- 西野亮廣|AI時代のアンカー(幻冬舎plus)
- Paul Graham|Putting Ideas into Words(2022年)
- けんすう|生成AIが怖すぎるからYouTubeを始めたという話(2025年)
- Pew Research Center|AI要約と検索クリックの調査(2025年、米国)
引用した考えや調査結果と、筆者の予想・感想は区別して記載しています。







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