【岡山】桃太郎伝説が生まれたまちを巡る16㌔サイクリング旅

国内旅行

今回の記事は、岡山でおすすめの「吉備路サイクリング」をご紹介いたします。

桃太郎伝説の生まれたまち岡山を、いにしえの物語に想いを馳せながら自転車で走ってみませんか?きっと気分をハレやかに変えてくれます!

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いま岡山は、カムカムエブリバディ(安子編)のロケ地としても注目されてますよね!また、11月中旬~下旬は紅葉が見頃です!

おとぎ話とは違う。桃太郎の元ネタSTORY

桃太郎の鬼退治で知られる「桃太郎伝説」は、江戸時代から語り継がれる日本五大昔話の一つで、日本人ならば誰もが知っていますよね。

「桃から生まれた桃太郎が、猿、キジ、犬の仲間を連れて、悪事をはたらく鬼を退治するために鬼ヶ島へ向かい、そこで勇敢に戦って勝利する」というストーリーです。

ところが、この桃太郎の話には諸説あり、その中の1つには、

悪者であったはずの鬼が実は善人というような話もあるのです。

桃太郎伝説発祥の地 岡山

岡山・香川・愛知が、「桃太郎の三大伝説地」と言われています。(ちなみに、桃太郎の話が残るまちは、全国に20~30か所あるそうです。)

その中でも岡山が、桃太郎伝説発祥の地として最有力地なのは、桃太郎伝説にまつわる条件が揃っていて、共通点が多いためです。

【岡山が発祥の地とされる三大根拠】

  • キビ団子:黍の収穫量が多かったことに由来して岡山の古名は「吉備」
  • 桃   :岡山の特産品
  • 温羅伝説:吉備の古代史、日本書紀や古事記の記述ともつながる

桃太郎の元ネタ「温羅伝説」

桃太郎伝説の元ネタは、日本書紀や古事記の記述ともつながる「温羅(うら)伝説」と言われています。

【温羅伝説のあらすじ】
温羅は、朝鮮の百済(くだら)出身の人で、戦を逃れ海を渡ってきた、いわゆる渡来人の長でした。

(百済は西暦660年に高句麗に滅ぼされます。)

古くから朝鮮半島と交流のあった吉備の人々は、そんな温羅たちの事情をくみ、彼らを快く受け入れました。

(百済は、たびたび高句麗と新羅に攻められ大和朝廷(日本)に亡命する人も多数いました。大和朝廷は百済の人々が高度な技術を持っていたため快く受け入れていました。)

温羅はそんな心優しい吉備の人々のため、製鉄(たたら)・造船・製塩など当時の百済の優れた技術を伝授し、吉備国の発展に貢献しました。

(当時の日本は飛鳥時代で、青銅器しか持っていなかったと言われています。)

高い技術と集団を率いる英知をもった温羅は、吉備の人々に慕われ、まもなく吉備国の王となります。

(このときの吉備国は、大和朝廷と並ぶ勢力を誇ったと言われています。)

そんな繁栄する吉備国に恐れを感じたのか、優れた製鉄の技術・豊富な鉄の産地を狙ったのか、大和朝廷の崇神天皇(第10代)は、孝霊天皇(第7代)の子で四道将軍の1人の五十狭芹彦命(ひこいさせりひこのみこと)・のちの吉備津彦命(きびつひこのみこと)を吉備国へ派遣します。

そして、吉備国(温羅) vs 大和朝廷(吉備津彦命)の壮絶な闘いが繰り広げられます。激戦の末、血吸川において温羅は敗北してしまいます。

勝てば官軍という言葉がありますが、争いに負けた温羅は、大和朝廷の戦いの正当化のために、「鬼」という悪者のイメージを付けられたと言われています。

吉備津彦命は、温羅のことを悪の所業を尽くす悪者(鬼)の討伐として派遣されましたが、温羅の死後「温羅が命の恩人だという少年」に出会い、温羅が吉備国の光であったことを知ります。

その後、吉備津彦命は激しく自分のことを責め、温羅を丁重に祀り、一生を吉備の国の繁栄と安泰に捧げたと言われています。

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桃太郎の物語は、実は大和朝廷による全国統一の戦いと深く関わっているようですね。

↓↓↓下記のサイトから「温羅伝説」の絵本が無料で見れます。分かりやすくておすすめです!

おかやま桃太郎ものがたり~吉備津彦と温羅~ | オカヤマイーブックス okayama ebooks

古代史に実在する桃太郎と鬼

「温羅伝説」には、吉備津彦命と温羅が登場しますが、

  • 吉備津彦命=桃太郎
  • 温羅=鬼

と言われいます。

桃太郎のモデル・吉備津彦命(きびつひこのみこと)

元々の名前を彦五十狭芹彦命(ひこいさせりびこのみこと)と言い、吉備平定後に吉備津彦命(きびつひこのみこと)となった人です。第7代孝霊天皇の子供。「日本書紀」では四道将軍に数えられ、「古事記」「日本書紀」とも、吉備へ征伐に派遣されたとされています。

鬼のモデル・温羅(うら)

「吉備冠者」「鬼神」とも呼ばれ、鬼ノ城を拠点としていたと言われています。渡来人で空が飛べた、大男で怪力無双だった、大酒飲みだった等の逸話が伝わっています。出身は、百済渡来説など複数の伝承があります。

おかやま桃太郎まつり「うらじゃ」

岡山で温羅は、製鉄技術をもたらして吉備を繁栄させた渡来人として慕われており、今も「うらじゃ」といわれる祭りが、毎年8月に大々的に行われています。

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うらじゃは、鬼滅の刃に出てきそうな鬼のメイクをして、踊り子・観客・裏方が一緒になって踊る「総おどり」が印象的です。

【うらじゃの歌詞】

今は昔の吉備(きび)の冠者(かじゃ)よ
真金(まがね)吹く吹く 吉備の国で
今は昔の吉備の冠者よ
ぼっけ ぎょうさん
宝を産んだ

燃やせ 叩け 熱いうちに
飲めや 踊れや 夜更けまで
ぼっけもんじゃ ぼっけもんじゃ
ぼっけもんじゃ うらじゃ

ハレバレ大空 吉備の国
歌え 踊れ 鬼祭り
ハレバレ大空 吉備の国
温羅じゃ 温羅じゃ 温羅じゃ

温羅じゃ 温羅じゃ・・・
じゃ じゃ じゃ じゃ 温羅じゃ

吉備路(きびじ)サイクリング

吉備路エリア

岡山の西部から総社・倉敷市へ、東西20キロに広がる吉備路エリアには、桃太郎物語にまつわる地名や旧跡が今も数多く残されています。

『桃太郎伝説』の生まれたまち おかやま~古代吉備の遺産が誘う鬼退治の物語として27の文化財などが日本遺産に認定されています。

吉備路自転車道

吉備路エリアの観光にぴったりなのが、サイクリングです。

吉備路自転車道は、日本の道100にも選ばれており、古代2000年の風を感じながら、田園風景が広がる中を自転車で走ると、ものすごく癒されます!

おすすめレンタサイクル

総社駅前の「荒木レンタサイクル」がオススメです。スタッフの方が、サイクリング初心者の方にも走るルートから自転車の扱い方まで丁寧に教えてくれます。

  • 住所    :〒719-1136 岡山県総社市駅前2-1-5
  • 営業時間  :9:00~18:00
  • レンタル料金:2時間まで500円(以降1時間ごとに+200円)
  • 電話番号  :0866-92-0233

※乗り捨てする場合は、時間に関わらずレンタル料金1,100円

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「きびチャリ」と呼ばれる、日本遺産のカラーにちなんだ赤と白のバイカラーの吉備路専用オリジナル自転車が貸し出されてます。

吉備路エリアの観光スポット

「吉備津」と名の付く神社は3つある

岡山県から広島県東部にかけて、古代この一帯は、吉備国(きびのくに)と呼ばれていました。

7世紀後半に律令制が敷かれたとき、吉備国は下記の3つに分けられました。

  1. 備中国(びっちゅうのくに)
  2. 備前国(びぜんのくに)
  3. 備後国(びんごのくに)

この吉備国の分割は、鬼(温羅)が築いた巨大すぎる力の解体と考えることもできるかもしれません。吉備津神社は、元々吉備の国の総鎮守の神社でしたが、吉備の国が三つに分けられた際にそれぞれの国へ分霊されました。

  1. 備中国:吉備国全体の総鎮守だった「吉備津神社」
  2. 備前国:東に1.5kmの「吉備津彦(きびつひこ)神社」
  3. 備後国:西に70kmの「吉備津神社(広島県福山市)」

吉備津神社

吉備津彦命が本陣を構えた場所で、いわゆる「桃太郎」が祀られている神社。鳥が翼を広げたように見える、比翼入母屋造の秀麗な本殿は、拝殿とともに国宝に指定されています。境内には、桃太郎が鬼(温羅)との戦いの際に矢を置いたと伝えられる矢置岩、釜の下に鬼(温羅)の首が埋められたと伝えられている御釜殿など、温羅伝説ゆかりの場所も多いです。

鳴釜神事(なるかましんじ)は、ご祈祷を受ける人なら、祈祷受付のときに申し込めば体験できます。湯気の立つ釜からうなるような音が響き、鳴れば吉、鳴らなければ凶。良い音か、悪い音なのかは神社の方は教えてくれません。全身全霊で聞き自分で判断するものだそうです。

  • 祈祷初穂料3000円~(鳴釜神事の料金は祈祷初穂料に含まれます)
  • 御朱印の受付15時30分まで。鳴釜神事の受付は14時まで。
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吉備津神社だけにお参りするのは「片参り」と言われるそうです。せっかく訪れたのなら、吉備津彦神社にもお参りしましょう。

 

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吉備津彦神社

こちらも桃太郎(吉備津彦命)を祀る神社で、吉備国が備前・備中・備後に分割された際に備前一宮として建てられたとされています。境内の温羅神社に、岡山では慕われている鬼(温羅)も祀られています。

桃の形をしたかわいいおみくじやお守りなどが人気です。

 

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鬼ノ城(きのじょう)

総社市の標高約400mの山・鬼城山(きのじょうさん)上にあり、桃太郎伝説の中で温羅と呼ばれた鬼の居城とされています。

この山城は日本では数例しかない古代朝鮮式山城の典型で国内最大規模です。

日本100名城のひとつで、歴史書には一切登場しないナゾの山城でもあります。

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鬼の居城と聞くと「鬼滅の刃」に登場する無限城を少しイメージしてしまいます。最終決戦における無惨と鬼滅隊の壮絶な戦いぶりは、温羅と吉備津彦にイメージを重ねることもできそうですね。

 

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備中国分寺

備中国分寺跡は、聖武天皇が天平13年(741年)に仏教の力を借りて天災や飢饉から人々そして国を守ること (鎮護国家)を目的に建てられた官寺の一つです。建物は南北朝時代に焼失したと伝えられ、現在の建物は江戸時代中期以降に再建されました。国指定史跡です。

備中国分寺五重塔は、弘化元年(1844年)ごろに完成し、34.32mの高さがあります。岡山県内唯一の五重塔でもあります。

 

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作山古墳(つくりやまこふん)

吉備勢力の強大さを伝える巨大前方後円墳。5世紀中頃に造営された全長約286mの巨大前方後円墳で、全国第10位の大きさです。

造山古墳(つくりやまこふん)

作山古墳から東へ約4km進むと場所に位置します。全長約350m、高さ約29mの前方後円墳で、日本全国で第4位の大きさです。国の史跡に指定されているほか、2018年に日本遺産にも認定されました。主要道路から少し外れた場所にありますが、田園地帯の中にそびえる墳丘は存在感があります。

こうもり塚古墳(こうもりづかこふん)

吉備三巨石墳の一つ。全長約100mの前方後円墳で、横穴式石室は全長約19.4mで吉備最大の石室を持ち、この地方を治めた勢力の巨大さを伝えてくれます。

鯉喰神社(こいくいじんじゃ)

鯉に化けて逃げる鬼(温羅)を、桃太郎(吉備津彦命)が鵜になり捕まえた場所に祀られた神社。実は楯築遺跡と同じく弥生時代末期の墳丘墓で、弧帯文石の類品や特殊器台が見つかっています。

血吸川(ちすいがわ)

鬼城山を源流とする川で、桃太郎(吉備津彦命)との戦いで傷ついた鬼(温羅)の血が流れて真っ赤になったと伝えられ、下流には「赤浜」の地名も残っています。名前の由来は、鉄分が含まれた川の水が赤かったためと言われ、この地域で製鉄が盛んであったことをうかがわせます。

吉備路サイクリングモデルコース

乗り捨てコース(4時間、16km)

総社駅前➤宝福寺➤総社宮➤備中国分寺➤造山古墳➤吉備津神社➤吉備津彦神社➤一宮駅前

折り返しコース(2時間、13km)

総社駅前➤やよいひろば➤作山古墳➤備中国分寺➤総社駅前

総社駅(岡山)へのアクセス

  • JR新大阪駅(山陽新幹線)~JR岡山駅(桃太郎線、伯備線)~JR総社駅(約1時間30分)
  • JR博多駅(山陽新幹線)~JR岡山駅(桃太郎線、伯備線)~JR総社駅(約2時間30分)

まとめ

いかがだったでしょうか?

吉備路は自然豊かで、自転車で普通に走っても気持ちいい道です。

11月中旬~下旬は紅葉も楽しめます。

岡山旅行計画の際に参考にしていただけるとうれしいです。

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